yogaの根本教典。パタンジャリの「ヨーガ・スートラ」。
スートラとは『縦糸』の意味。
サンスクリット語の単語の羅列でまとめられた、計4章、195節。

第1章第1節 さ
てyogaの話をはじめよう。

第1章第2節 yogaは心の働きを止めることである。

つづく

1節1節、
糸をつむぐように関連づけられ、ひとつひとつを丁寧に繋ぎ実践と同期すると、編纂者の真意が理解出来る

yogaスートラは、紀元前から綿々と口伝で受け継がれたyogaを、パタンジャリによって編纂されたといわれている。
インド哲学六学派の中サーンキヤ哲学、仏教の影響を受けている。

ここでは、八段階の積み重ねによって構成され、yogaの練習の段階を表しているアシュタンガ(八支則)ヨーガを解説する。

(スートラ第2章28節29節〜第3章3節)


8
サマーディ(三昧:さんまい)

サマーディ』とは、ディアーナそのものが形を失ったかのようになり、その対象がひとり輝くときのことである。
※サマーディーを何段階かに分け、それぞれの状態を詳しく説いている。

7
ディヤーナ (静慮:じょうりょ)

「ディヤーナとは、ひとつの対象に対する認識の絶え間ない流れである。」3-2。
※「ディヤーナ」(インド)⇒「禅那」(中国)⇒「禅」(日本)

6
ダーラナ(集中)

心をある一点にとどめて動かさないこと。
「ダーラナとは、チッタを特定の対象物に縛りつけておくことである。」3-1。
5
プラティヤハーラ (制感)

「感覚器官がそれぞれの対象とつながらず、まるでチッタ自体のようになるのが、プラティヤハーラである」ヨーガスートラ2-54。
※感覚に振り回されないようにすること。ゆえにYogaは目を閉じておこなう。
プラーナヤーマ (調気法)

「(意識を集中しておこなうプラーナヤーマは)もともとの心の輝きをおおい隠しているものが消え去る」2-52。
※呼吸を適切に行うことで、心は動きにくくなる。
アーサナ(座法)

「アサナは安定していて、快適なものでなくてはならない」2-46
※サンスクリッド語で『アサナ』という名詞は、「座る」という動詞の
asから転化したもの。座る=瞑想。この時代(AD5世紀頃)のYogaは、ポーズをとるものではない。as+ana

ニヤマ(勧戒:かんかい)


Yoginのすべきこと。

1.清浄(シャウチャ)…身も心も清浄にする。

2.知足(サントーシャ)…『充分』と言うことを知ること。

3.精進(タパス)…日々、熱心にものごとに取り組むこと。

4.読誦(スヴァーディヤーヤ)…知識、知恵を得るべく本を読む事。

5.意念(イシューヴァラ・プラニダーナ)…不動の精神性を思い、念じること


ヤマ(禁戒:きんかい)

Yogiがやっては行けない事。

1.非暴力(アヒンサ)…無用な暴力、殺生をしない〜非暴力の者に敵意を持つものはいない。

2.正 直(サティア)… 正直者には、よい結果がもたらされる。

3.不 盗(アステーヤ)…他人の物、時間、などを盗らないようにする。

4.禁 欲(ブラフマチャリヤ)… 性を慎むことで精神的な活力があふれる。

5.不 貪(アパリグラハ)…物ごとに執着し、貪らない事。

   

文責:Shudhananda Yogi ※無断引用・複製禁止